Answer
あなたがそのリーダーのことを、「このリーダーは良い奴だ」と思えるかどうかが決め手になると思います。
アメリカであった有名な教育心理実験からお伝えしようと思います。
クラスでランダム(成績上位も下位も混ぜて)に生徒を選び、「この生徒は成績が伸びる生徒だ」と伝え、次の担任に引き継ぎました。すると、その生徒の成績が数か月後に上がったという事例です。
ピグマリオン効果
ピグマリオン効果(ピグマリオンこうか、英: pygmalion effect)とは、教育心理学における心理的行動の1つで、教師の期待によって学習者の成績が向上することである。別名、教師期待効果(きょうしきたいこうか)、ローゼンタール効果(ローゼンタールこうか)などとも呼ばれている。なお批判者は心理学用語でのバイアスである実験者効果(じっけんしゃこうか)の一種とする。ちなみに、教師が期待しないことによって学習者の成績が下がることはゴーレム効果と呼ばれる。
人間におけるピグマリオン効果
1964年春、教育現場での実験として、サンフランシスコの小学校で、ハーバード式突発性学習能力予測テストと名づけた普通の知能テストを行ない、学級担任には、今後数ヶ月の間に成績が伸びてくる学習者を割り出すための検査であると説明した。しかし、実際のところ検査には何の意味もなく、実験施行者は、検査の結果と関係なく無作為に選ばれた児童の名簿を学級担任に見せて、この名簿に記載されている児童が、今後数ヶ月の間に成績が伸びる子供達だと伝えた。その後、学級担任は、子供達の成績が向上するという期待を込めて、その子供達を見ていたが、確かに成績が向上していった。報告論文の主張では成績が向上した原因としては、学級担任が子供達に対して、期待のこもった眼差しを向けたこと。さらに、子供達も期待されていることを意識するため、成績が向上していったと主張されている。この詳細がまとめられた報告書は、Rosenthal, R. & Jacobson, L.:”Pygmalion in the classroom”,Holt, Rinehart & Winston 1968として刊行された。
(ウィキペディア(Wikipedia)より)
人間って面白いですね。他にもこんな心理実験があります。
ある部屋に10人の人がいます。
1人が被験者で、それ以外の9人は実験内容をわかっている人達です。
(赤色のものを見せて)この色は何色ですか?
赤色です。
黒色ですよ。(9人全員)
え?赤じゃないの?
(次は青色のモノを見せて)この色は何色ですか?
青色です。
赤色じゃないですか!(9人全員)
え?青色じゃないの?
これを2、3時間します。
すると、被験者は赤色を黒色といい、青色を赤色というようになります。
これが人間の心理です。ここから、何がわかるでしょうか。
それは、指導者側が生徒のことをどう思うかで、生徒が成長するかしないかが変わってくるということです。
だからこそ、指導者はどんな人間に対しても、『絶対にできる奴』と思えるかどうかが決め手と言ったのです。
たとえ、サボるというような行為をしたとしても、それには何か理由がある、原因があると思わないとその人間の心を変えてあげることはできません。
周りから、『この子はいい子です』と紹介されると、いい子と思って扱い、『この子は悪さをしてきた子です』と紹介されると、そのように扱ってしまうのが人間です。
以前、指導したバレーボールチームがその事例に当てはまりました。
中学時代にかなり悪さをしてきた選手がいましたが、非常にリーダーシップや責任感のある選手だったので、監督から「来年、どの選手をキャプテンにするといいと思いますか?」と訊かれたときに、「この選手をキャプテンにするのをオススメします」と回答したら、「絶対ありえません」と否定されたくらいの選手でした。たしかに監督からは「一番扱いにくい選手」と入部当時からそう評価されていましたが、私からすると、一番いい選手で、チームの要になる選手だと思っていました。だから、私はこの選手は大成する器がある、選手をまとめる器がある、という強い信念を持って、接し続けました。
すると、本当に他の選手をまとめ、そのチームは全国3位という結果を残しました。
その後その選手はバレーボールの強い大学へ進学し、2回生ながらチームを仕切っていたと聞いています。
余談ですが、その選手は普段は体育教官室に寄り付きもしないような選手でしたが、私がいくと必ず何か用事をみつけては、体育教官室に出入りするという可愛い気のあることをしてくれていました。
なぜなら、私が『君はいいやつだ!きっと大成する!』と最初からずっとそういう想いで接し続けたから、その想いが届いていたのでしょう。
人間は視点で変わります。
人に対してレッテルをはる上司、指導者であってはいけません。
そのレッテルは、あなた自身が作り出している他ありません。
それを自覚し、あなた自身が視点を変え、部下をみてやることです。
部下を変えるよりも、先ずは自分自身の視点を変えることです。